本日高校2年生は、東京経済大学の早尾貴紀教授をお招きし、「ガザ・ジェノサイドを考える」と題した講演を聴講しました。
早尾先生は、ガザ・パレスチナ情勢をご専門としており、2004年にはガザの内部へ行かれたこともある先生です。
皆さんご存知の通り、現在パレスチナ・ガザ地区は平和とは程遠い状態が続いています。
我々が住む日本から遠く離れているガザを知るため、まずは大きさや人口にも触れていただきました。
名古屋と同じ大きさ、ジェノサイド(大量虐殺)前までは、人口もほぼ同じであったということで、生徒たちも一気に自分ごととして話を捉えられたようです。

講演の中で印象的であったのが、現在のガザの様子です。
ガザは地中海性気候なので、冬が雨季となります。
パレスチナ難民の方は、テント暮らしのため、冬の冷たい雨の影響を直接受けます。
長く続く紛争のため、栄養状態が悪く、衛生状態も良くない…冬は風邪やインフルエンザが流行する季節であるため、抵抗力が落ちている人々は命を落としやすいそうです。
そして、病死の方の数は戦闘での死者数に数えられず、表にも出てこないとのこと。
人知れず、寒いテントの中で亡くなっていく人たちのことを思うと、私たちが置かれている環境の豊かさが際立ちます。
そして、停戦後に瓦礫の中で復活した学校の様子にも驚きました。


現地の方々は、平和でないからこそ、教育への意欲が高いそうです。
「意欲は高いが、教育を活かした未来はない」早尾先生の言葉に、紛争による社会への影響の大きさを感じずにいられませんでした。
「教育を活かした未来がある」我々にはまだできることがあると感じます。

先生からのメッセージとして、
①しっかり勉強をする
②身の回りの差別についても良く勉強しよう
③欧米中心を脱却しよう
ガザ停戦に至るまでには、国際連合の仕組みに欠陥があることも教わりました。
その「国連問題」については時間がなく、先生の見解をお伺いすることはできませんでしたが、個人で探究して欲しいテーマとなりました。
12月4日から12月10日まで、人権週間でした。
1948年に「世界人権宣言」が採択されたことを記念し、制定されたものです。
人権宣言採択当時においても、パレスチナへの攻撃は止まなかったそうです。
今回の講演は、聞いて終わりではなく、今後も平和について考え続けることが大切であると教わった講演であったと思います。
もし、名古屋がガザだったら(名古屋が攻撃されながら、半分の面積に人々が追いやられたら)…この早尾先生の例えに象徴されるような、「自分ごととして考える」視点を生徒たちには持っていてもらいたいものです。

